生死と向き合う仕事が教えてくれること

医師や看護師など病院で勤務する人たちを始め、介護福祉士など介護施設で働く人たち、救急救命士や消防士、警察官などの多くの人たちが日々生死と向き合っている。これらの仕事は、実際に援助を受ける人だけではなく、仕事をする当人たちもたくさんのことを得ることができる。自分達も得ることが多いため、成長を実感しやすい仕事といえる。命と向き合う仕事は責任も重く、専門性が高いという理由で敬遠する人も多いが、実際は自分自身も対象者と一緒に成長できる面もある。

少子高齢化にともなって多くの仕事でAI化が試みられている。将来的な人手不足を解消するために、ロボットや機械の力を借りて労働力を補おうという考えである。医療や介護の世界でもAIの導入は今後進んでいくことだろう。しかし、ふとした時に支えた手や、辛い時にさすってくれた手が援助を受ける人の心を暖めたり、さりげない気遣いの一言で絶望感から救われる人もいる。AIにはできないことをすることが人を幸せにすることを生死と向き合う仕事をしている人は肌で感じることができる。

AIや機械に仕事をすべて奪われないためには、人間が人間だからできることを模索していくことも大切である。生死と向き合う仕事は、日頃から人間と人間が触れ合う仕事なので、これらのことを学ぶことができる現場である。そして、人間にはまだできることがあるということを多くの事例から学ぶことができ、自分自身をさらに成長させてくれる仕事であるといえるだろう。